WARP HOLE BOOKSの外に置いてあるベンチに、この週末から冊子とペンが置いてあります。冊子の中身は宮沢賢治の『どんぐりと山猫』(青空文庫より)。雨に濡れても大丈夫な特別な耐水紙に、色々書き込めるよう余白を多めにとって印刷してあります。
これは多摩美術大学 統合デザインの高橋海松さんによる「渡る本」という企画。本来、とてもパーソナルな読書という体験を人と共有しあうことで、重層的に本を読む取り組みです。昨年、高橋さんが卒制で「渡る本」を制作した際にWARP HOLE BOOKSで協力をさせていただいたご縁で、今回の特別版の制作を考えました。
これから、秋・冬・春・夏と1年間で4冊の渡る本をベンチに置いてみる予定です。よかったらぜひ、ベンチに座って読んで、書き込んで楽しんでください。
「渡る本」は、人と人との橋渡しとなる本の在り方の提案である。一冊の本が人から人へと渡り、それぞれが告き込みをすることで、紙面を介して、共に過ごし、語り合った時間が級じられていく。さまざまな関係性の人々の書き込みを通して、一番の本の余白に潜む、無数の読解可能性が明らかになる。
*卒制の説明文より引用